バチカン市国民とは
先ほども少し触れましたが、いわゆる「バチカン人」というのは存在せず、
バチカン市国民というのは、ローマ・カトリックに仕える、バチカンに
居住する人々のことをいいます。
その人たちには、バチカンの市民権が与えられますが、一度職を離れると、
市民権も抹消されます。
バチカン市民であり続けることは、イコール、そこでの仕事を続ける、
ということになります。
人口は800人ちょっとで、その殆どが、聖職者若しくは修道者です。
残りのうち100人ほどが、教会内の治安を守るスイス衛兵、そして、
一般職員も数人います。
教会の職員は約3000人いるのですが、彼らの多くはバチカンの国外から
通勤していて、バチカンの市民権を持っていません。
ここまででおわかりかと思いますが、居住の権利が一定期間与えられても、
基本的に「永住権」というものはありません。
これが、カトリック教会の国ならではなのでしょう。
総じていうと、バチカン人というものは存在せず、バチカン居住者は全て
外国人であり、永住権を取得することはできない、ということになります。
キリスト教信者でなければ、バチカン居住は論外なのです。
バチカンほど、宗教と結びついた国はほかにはありません。
まさに、世界の中の、特別な国家です。
また、ここで働く人々は、バチカン市国外から通勤していようとも、
教会関連の仕事をしていることになります。