シーランド公国(Principality of Sealand)
シーランド公国は、国連加盟の192カ国のうち1カ国にも独立国家として認められていない、「自称独立国家」です。
国家としての歴史も浅く、たまたま独立状態を保っていられるという奇跡的な状況で、その領域を維持しています。
そもそもシーランド公国を形成する場所は、イギリス東部の海域で、そこには、第二次大戦中、軍事目的の施設が
建設されていました。
その海上建築物を占拠し、独立を宣言したのが、現国家元首と名乗る、パディ・ロイ・ベイツです。
ベイツは海賊放送の運営をしていて、イギリスの放送局に訴えられました。
そこで逃げ出し、逃亡先として目をつけたのが、その建築物だったのです。
イギリス政府は、ベーツを訴えましたが、調べてみると、その場所はイギリス海域ではないことがわかり、
従ってイギリスの法律は適用されず、ベーツは起訴されずに済んだのです。
こうして、「自称国家」は存続することになりました。
シーランド公国は、いち独立国として様々な外交にチャレンジし、パスポートや自国通貨の発行も行ってきました。
勿論、それらを他国が認めているわけではないので、どこで通用するというものでもないのですが、
シーランド公国のある海域は、結局どの国も所有を主張していないため、そのままの状態になっています。
現在は資金難で場所を売り出していますが、主権は譲るつもりはなく、今後も国家としての存続を図るとのことです。