ルクセンブルクの金融・外交政策
ルクセンブルクの金融政策について、もう少し触れておきます。
中欧の小国が何故金融産業で成功し、経済大国になったのか、それには幾つかの理由があると思われます。
勿論、一環した自由主義政策も根底にあるのですが、ルクセンブルクは、小国ならではの利点を生かす方法を
熟知しているものと思われます。
例えば、大国故の煩わしさの一つが、情報伝達・意思決定の複雑さです。
日本でもそうですが、重要な案件ほど、その決定に際して何重にも手続きを踏まなければならないのが常ですが、
ルクセンブルクでは、意思決定までの道のりが簡素になっており、全ての物事を迅速に採択することができます。
こういったことで、他国はルクセンブルクとのやり取りに煩わしい思いをすることがなく、効率的なビジネスが
できることが大きな利点になっています。
また、小国だからこそ、まとまりが良いという面もあります。
もう一つ忘れてはならないのは、国民全員がマルチリンガルであることです。
ルクセンブルク人は、ドイツ語、フランス語、ルクセンブルク語、更に英語が堪能です。
このことは、外国を相手にするとき、大きな強みになることは言うまでもありません。
ヨーロッパの地図を広げて見ると、ルクセンブルクがヨーロッパの中央にあることがわかりますが、こういった国の
条件もまた、外交などの面で有利に働いていて、国に豊かさをもたらしているものと思われます。