多民族国家のルクセンブルク

多民族国家のルクセンブルク

ルクセンブルクの人口は、増加を続けています。

ルクセンブルク政府の統計によると、2001年統計時の人口が439,000人、2011年の人口が511,840人ですから、
7万人以上増えたことになります。

しかし、ルクセンブルク人の出生率は、減少傾向にあります。

では、どうして人口が増えたのでしょうか?

それは、移民受け入れ政策で、外国人が大幅に増えたからです。

ルクセンブルクは、今では国民の2人に1人が外国人という、多民族国家です。

この移民受け入れの背景には、ルクセンブルク人の大量流出の歴史があります。

鉄鋼業が盛んになる前、ルクセンブルクにはこれといった産業がなく、働き口を求めて、大量のルクセンブルク人が
他国へ移住していきました。

しかし、19世紀になるとルクセンブルク南部地方に鉱床があることがわかり、そこから鉄鋼業を基盤とした産業の
発展が始まります。

このことがきっかけで、今度は働き口を求めて外国人が多く移り住むようになり、人口減少の歯止めをかける結果に
繋がったのです。

現在、最も多い外国人はポルトガル人で、在ルクセンブルク外国人の3割〜4割を占めています。

そのほかでは、フランス、ドイツ、イタリアなどの西欧諸国のほかに、近年では東欧やアフリカ系の移民も増えて
きているとのことです。

多言語国家であるルクセンブルクが、更に国際色豊かな国になる仕組みをここに見ることができます。