マルタ騎士団

マルタ騎士団(Sovereign Military Order of Malta)

マルタ騎士団の日本語正式名称は、「ロードス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」です。

少々長い名前ですが、元々は「十字軍」と呼ばれる組織です。

このマルタ騎士団は、「国を持たない主権国家」を形成しています。

マルタ騎士団は、エルサレムで設立され、その後拠点をマルタ島に移しました。

マルタ島の領土で組織を形成していて、この時点では、確かに国家として成り立っていた、といえるでしょう。

ところが、ナポレオンの侵攻により騎士団は領土を追われ、それ以来、土地を失ったままになったのです。

現在ではローマ市内にビルを構え、そこが事実上の政府になっています。

マルタ騎士団は現在でも、バチカン市国のように独立国として認められていません。

そもそも独立国というのは、「領域(領土、領海、領空)」を持つものであり、騎士団はいずれも持っていないのです。

しかし、国際的には一定の権利が認められています。

例えば、騎士団のビル内にはイタリアの治外法権が認められていて、ビルに入るには特別な許可が必要になります。

国連の中では「オブザーバー」の一つとして扱われています。

国によっては騎士団を国として承認しているところもあるようですが、現在では国連に加盟していなく、
領土を有さない国家である、という認識が最も一般的なようです。