「国境=城壁」の国

バチカン市国は「国境=城壁」の国

バチカン市国は、イタリアの首都ローマ市内にある主権国家です。

バチカン市国についての表

つまり、れっきとした独立国であり、ローマとは国境線もあります。

その国境線ですが、非常にわかりやすくなっており、初めてローマを訪れる
観光客でも、そのローマとバチカン国境を明確に知ることができます。

何故なら、バチカン市国は城壁に囲まれているからです。

城壁内がバチカン国内で、その外側がローマ、この最低限の知識があれば、
初めてローマを訪れた人でも、すぐにバチカン市国の敷地を認識できます。

その城壁の中は、れっきとした国家があり、また同時に国全体が世界遺産として
登録されています。

バチカンの国民であれば、世界遺産の土地に住んでいることにもなり、
何とも贅沢な印象です。

バチカンには、いわゆる「バチカン人」というのは存在しません。

バチカンといえば、そのトップに立つのがローマ教皇であることはすぐにわかりますが、
現教皇のベネディクト16世はドイツ出身、前教皇のヨハネパウロ2世はポーランド出身で、
特別にバチカンで生まれ育ったわけではありません。

また、バチカン国内に住む人々イコールローマ・カトリックに奉仕する人々で、
その出身地も様々です。

よく私たちは、アメリカを「多民族国家」といいますが、バチカン市国にも
「多民族国家」という言葉が当てはまるのかもしれません。