リヒテンシュタインの国家成立の経緯

リヒテンシュタインの国家成立の経緯

リヒテンシュタイン公国は、国土160キロ平方メートルの、世界で6番目に小さな国ですが、元々ここに国は
ありませんでした。

リヒテンシュタインには、特殊な建国の歴史があるのです。

簡単に説明すると、ある貴族が自分の国を持ち、国王になりたくて作った国です。

リヒテンシュタイン家は、ヨーロッパでも政治や商才に秀でた名門貴族で、中世にはハプスブルク家に
仕えていました。

ハプスブルク家は、リヒテンシュタイン公の諸々の才能を買い、なくてはならない存在として重要な役職を
与えていました。

一方、リヒテンシュタイン公は、いつか自分の国を持ちたい、そして自分が国王になりたい、という野望を
持ちつつも、ハプスブルク家に仕える気持ちに変わりなく、どうやったら国を持てるのか、模索し続けていました。

そこでまず、シュレンベルク男爵の領土を購入することにし、その後、ファドゥーツ公爵が借金まみれで土地を
手放すことになった時、その土地を買い取ることにしました。

後にこの2つの土地を併せて、「リヒテンシュタイン領」と承認されるようになります。

リヒテンシュタイン領は、ハプスブルク家の領土ではなかったので、摩擦が起きずに済んだようです。

こうして、自分たちの領土を一定量確保し、1806年に独立宣言をしました。

お金持ちの道楽的な感じで自分の国を建国するという、あり得ないようなことが実際に起きてできた国、
ということになります。