恐るべきリヒテンシュタイン家
リヒテンシュタインは絶対君主制国家で、国家元首は、リヒテンシュタイン公です。
リヒテンシュタインでは、リヒテンシュタイン家男性による男性世襲制を採用していて、女性の参政権が
認められたのも実は1980年代に入ってからです。
一人の人間による独裁政権だと、通常は国民の不満がくすぶり、やがてクーデターに発展することもあります。
ところが、リヒテンシュタインでは、クーデターが起きたことは一度もありません。
では、何故絶対君主制でこのような奇跡的なことが起きているのでしょうか?
リヒテンシュタインは、その国土が全てリヒテンシュタイン公のものです。
つまり、全国民の大家さんは、国の国家元首ということになります。
しかし、国家元首は自分の権利を乱用することはありませんでした。
例えば、第一次・第二次大戦中、どの国も慢性的に物資が不足していましたが、リヒテンシュタイン公は、
懐にあるお金で食糧を買い、国民に供給していました。
また、永世中立国であったことから、戦犯と呼ばれる人たちが逃げてきても、彼らを拘束するということも
ありませんでした。
国民は、完全に国王の保護下に入ることができたのです。
また、外交で成功していた結果、ナチスドイツの侵攻を免れることもできました。
こういった国のトップの柔軟な姿勢に反発する人がいないのは当然のことです。
リヒテンシュタイン家だからこそ、国の独立を維持できているといっていいのでしょう。