海外移住の方法

イタリアの概観

イタリア共和国は南ヨーロッパに位置するイタリア半島と、サルディーニャ島・シチリア島からなる、歴史も古く、グルメ・観光地としても世界中に知られています。

公用語はイタリア語で、20の州に分かれており、270万人が住むローマを始めとして、ミラノ・ナポリ・トリノなどの著名な都市があります。またシチリア島にも500万人近くの人が住んでおり、比較的、地域ごとに人口が分散していることがわかります。

日本と同じく、イタリアは火山が多く、特にヨーロッパ最大の火山、エトナ山は活火山として時に大きな噴火を起こすことで有名です。

また、この影響で「地震が多い」国家であるというところも似ています。

2013年のイタリアのGDPは2兆719億ドルで世界9位となっており、EUの中でもドイツ・フランス・イギリスに次ぐ4位と経済は活発で、北部のミラノやトリノでは工業化が進んでいます。

一方で、変化に富んだ気候を生かして農業も盛んであり、オリーブ・チーズ・ワインなどで有名です。

日本との関係も良好で、イタリアのアリタリア航空が、成田・関西空港へ直行便を運航しています。

イタリアの移民の特徴

ラテン系を中心としたイタリア人が93%を占めるほぼ単一民族国家と言えましょう。

イタリアの住民の特徴としては、長年にわたり都市国家であった関係で、イタリア国民というよりは、「都市の民」であるという意識が強く、歴史的に内戦の多い国となっています。

また、前項でご紹介しましたが、南北問題と言われる工業で栄える北部と失業率の高い南部との経済格差が大きく、国の懸案事項となっています。

また、近年は移民を大量に受け入れることにより、逆に雇用問題が起きたり、宗教上の軋轢や生活習慣のトラブルが頻発しているようです。

2009年の外国人人口は389万人を数え、人口の6.5%を占めています。

この影響か、日系企業も全盛期の4分の1に減り、現在では日本人の就職は北部の観光業や小売店が中心となっています。

そのような中で、特筆すべきは医療・福祉です。

公営民営混合のユニバーサルサービスがあり、イタリアの医療制度はWHOにより世界第2位と評されるほどの充実を見せています。

また、保健制度も進んでおり、手厚い年金などは世界トップレベルと言われています。

イタリアの査証

イタリアの滞在許可証は、都市によって異なるものの概して大変であるというのが現状のようです。

滞在許可は厳しくなる一方と言われ、退去通告を受けることもあります。

労働許可証

イタリアで働くには(滞在許可を持つには)まず、これを取得することが必須です。

移民の規制強化から、雇用主が賃金とほぼ同額の税金を負担する義務があり、なかなか発給に至らないのが現状です。
日系企業が減少している一因と言えましょう。

フリーランスの場合はさらに厳しく、書類審査、活動証明など煩雑な書類が必要です。

条件を満たしていても、半年以上待たされたりすることもあるようです。

永住権

イタリアの永住権の取得には、

  • 滞在許可を所持して6年以上居住する
  • イタリア人配偶者
  • EU国籍を持つ配偶者

3つのうちどれかにあてはまり、犯罪歴がないことが必要です。

EU市民だと、それほど難しくはないようですが、日本人の移民となると国家の事情により、非常に困難であるのが現状のようです。

温暖な地中海性気候の中に身をゆだねて、のんびりするのは、まずは「観光査証」で、と言ったところでしょうか。