オーストラリアの概観
オーストラリアはご存知の通り、オセアニアに位置する連邦で、コアラなどの特徴的な動物が見られ、また名所も多く、自然豊かな観光地としても有名な国家です。
公用語は英語で、日本との結びつきは古くから強く、特にワーキング・ホリデー協定を最初に結んだのも、この国で(1980年)、日本から多くの留学生や修学旅行生、観光客が訪れています。
また、逆にオーストラリアからも近年はスキー客が多く日本を訪れており、特に北海道が人気になっています。
オーストラリアの人口は約2100万人で、そのうちシドニーに433万人、メルボルンに380万人と、大都市に集中して居住していることがわかります。
経済面に目を移すと、GDPは2011年で1兆4882億ドルと世界13位で、農産物や鉱産物などの産出を始めとする第一次産業が盛んな一方で、第三次産業の割合も高いという二つの顔を持つ国家と言えます。
国土はほとんどが砂漠で覆われており、東側が温暖湿潤気候、西岸海洋性気候といった過ごしやすい場所であるため、ここに人口が集中している傾向がみられます。
オーストラリアの移民の特徴
住民の80%以上はヨーロッパ系白人で、その他アジア人、先住民族のアボリジニなどが居住しています。
移民は全体の約20%で、イギリス、ニュージーランド、中国などが多くなっています。
人種差別禁止法が1975年に制定されるまでは、白色人種以外の移民受け入れを禁止していたという経緯があります。
住民の多数を占める白人による、アボリジニその他有色人種に対する迫害・差別の歴史があり、白豪主義と言われる優越思想が現在でも残っている地域もあるようです。
また、特にヨーロッパからの入植者によって持ち込まれた砂漠開発のためのラクダ、害虫駆除のためのイノシシやヒキガエルなどをはじめとした、いわゆる外来種が個体数を激増させており、近年では生態系破壊が問題となっています。
そのような中で、在留邦人は約7万5千人、在日居住者は1万人を数えています。
日本食料品店なども数多くあり、24時間対応の電話日本語無料医療サービスなどもあります。
日本から来る人にとっては、しっかりとしたライフラインが構築されており、住みやすい環境であると言えましょう。
オーストラリアの査証
就労査証については、事業経営者を含む一般就労用で、これは永住権ではありません。
滞在期間は最長4年となっています(更新可能)。
2012年から就労査証制度の見直しが行われており、より厳格に、申請料金も高額になる傾向にあります。
対象者は、
- 事業経営者
- 企業駐在員
- 外国企業社員
で、申請するに当たり、相当の英語力が必要です。
英語力証明が免除される要件としては、
- 年間給与額が9万6400豪ドル(約900万円)
- 英語による授業を中学・高校・大学で通算で5年以上継続した人
と、かなり厳しいものになっています。
オーストラリアの査証は、他の国と比べても相当に厳しく、十分な資金と卓越した語学力、厳格な審査をクリアしなくてはなりません。
また、ワーキング・ホリデー査証からの切り替えも年々厳しくなっており、高度な専門技術・技能が求められるようです。
非常に狭き門と言えましょう。
ですが、その一方で、オーストラリアには高い生活水準と優れた医療・年金制度があり、そのライフスタイルのポテンシャルは随一と言われており、努力する価値は十分にあると言えます。