ドミニカ共和国の概観
ドミニカ共和国は、中米西インド諸島のイスパニョーラ島東部に位置する共和制国家です。
野球が盛んなことが有名であり、日本のプロ野球にも陽気なドミニカンが大勢活躍しているので、馴染み深いと思います。
同じくカリブ海に浮かぶドミニカ島にある「ドミニカ国」は別の国ですので、混同されないようにして下さい。
公用語はスペイン語で、古くからスペインの植民地として栄えました。
その後、ハイチの占領など混乱を経て、民主主義体系の国家になりました。
ドミニカの経済についてですが、2012年のGDPは557億ドルで、これは熊本県と同等の経済規模です。
基幹産業は少なく、鉱業・農業(特に砂糖)が主要産業で、近年好調な観光業が貴重な外貨獲得資源となっています。
気候は、熱帯のサバナ気候ですが、海に囲まれているたま非常に過ごしやすくなっています。
雨季・乾季がはっきりしており、気温は32度を超えることはまれで、季節風が吹き、快適に過ごすことができます。
また、カリブ最高峰のドゥアルテ峰(3175m)があることでも知られ、山岳の景色も楽しむことができます。
ドミニカ共和国の移民の特徴
ドミニカは急激な人口増加の過渡期にあります。
1930年に100万人あまりだった人口は、第二次世界大戦後、大幅に増え1960年には340万人、1975年には469万人に達し、最新のデータ2008年では1000万人を超えています。
住民は、ラテンの混血ムラートが73%、ヨーロッパ系が16%、アフリカ系が11%となっていますが、ドミニカ人の穏やかな性格から、民族にまつわる争いはあまり起きないようですが、隣国のハイチ人に対してはかつて占領された歴史もあることから、敵意を抱いているようです。
移民は歴史的に非常に盛んで、ドイツ・イタリア・フランス・ユダヤ・スペイン・中国など世界各地から移民を迎えています。
日本人については、1954年に国家単位でぶらじる丸による移民を行いましたが、入植地がかなりの悪条件で、また、政変もあったことから大変苦しんだ歴史があったようです。
とはいえ、現代においては、在留日本人は増加しており、2007年には800人弱の居住者がいます。
ただ、生活用品は輸入に頼っているために高く、安く生活するには少々難しい環境ということです。
ドミニカ共和国の査証
ドミニカの居住査証は、90日を超える長期滞在者が対象で居住査証取得者には暫定居住カードが発行されます。
有効期間は1年間で更新可能です。
1年経過後すると永住権申請資格が得られます。
- ドミニカ人が配偶者
- 家族がドミニカ人
- 労働許可証を持っている
が要件です。
その他、資産を預金・投資することができる外国人向けの居住査証もあります。
50万ペソ(約17000ドル)以上の銀行預金額が求められます。
また、リタイアメント査証についてですが、審査に時間がかかる(3〜4ヶ月以上)ようですが、20万ドル以上の預金を保持していると、優遇を受けられるようです。
日本の国策移住の失敗という悲しい過去を持つドミニカですが、日本との結びつきは今も強固なものです。
西アフリカから移入された黒人文化やスペイン文化を始めとした、移民のるつぼでもあるドミニカ文化と穏やかなドミニカ人の親しみやすく、大らかな人間性のもとで暮らすのは、非常に魅力的であると思います。